セク・コン~重信くんの片想い~
15話 親友の助言
重信がアオイを避け始めて三日目の放課後。アオイと帰り道が一緒になることを危惧し、重信は用も無いのに図書館で時間を潰していた。美雪と恵太には、今日も用があるから先に帰ってくれと伝えてある。
「はあ……」
重信は、受験勉強の為に必死で勉強している生徒がいる図書室で、なるべく邪魔にならないようにと、一番隅の窓際の椅子に腰掛けた。
たった三日とは言え、重信の心の疲労感は既にピークに達していた。いくら避けていたって、同じ高校の同じ学年にいるアオイと完全に顔を合わせずにいる為には、かなりの努力を強いられた。重信はいつだってアオイに鉢合わせしないか気を張っていなければならないし、万が一顔を合わせそうになったときには、速やかにその場を立ち去る準備をしておかなければならない訳だ。
しかも、今日なんかアオイの方から重信のクラスに乗り込んでくるという事件まで起こった。危機一髪で反対のドアを使って教室から逃げ出すことができたが、次はそう簡単にはいかないだろう。
と、ポケットの中でスマホが震える。
なんとなく、誰からのメールなのかは想像できる。気は進まなかったが、のそのそとスマホを取り出すと、受信メールを確認した。送信者は、アオイ。
重信は、メールは開かずに、そのままスマホをポケットにしまった。
アオイから届いたメールは三日間で合わせて六通。一日二通の割合だから、そんなに多くないと言えば多くない。けれど、あの筆不精なアオイからすでば、かなりの数だ。
(まあ、仕方ないか。俺、明らかにアオイのことてはいない。けれど、消去する勇気もなく、こうしてそのまま放置している始末だ。
「俺って、なんでも半端だな……」
ぐてんとテーブルに突っ伏して、重信は情けない声でそう呟いた。避けてるもんな……)
未だ怖くてアオイからのメールな一通も開いてはいない。けれど、消去する勇気もなく、こうしてそのまま放置している始末だ。
「俺って、なんでも半端だな……」
ぐてんとテーブルに突っ伏して、重信は情けない声でそう呟いた。