セク・コン~重信くんの片想い~
「で、三島高校生じゃねえ兄ちゃんが、どういう訳か大寺さんたちにオレの見張りを頼んだらしくてよ……」
重信はそれを聞いてピンときた。この前、アオイのバイクトライアルの予選大会での出来事をふと思い出したのだ。
あの会場で、黒ヘルメットのアオイの兄なる人物に、重信はいきなり胸倉を掴まれていた。そのとき、彼ははっきりと重信にこう言っていた。
「お前、最近うちの妹に絡んでんだろ? 一体どういうつもりだ?」
と。そして、その後こう付け加えたのだ。
「からかってんなら、大概にしとけよ? もし妹傷つけてみろ、ただじゃ済ませねぇからな」
重信は黙ったまましばらくじっと考え込んでいた。
(原因って、絶対あのときのだよな……。アオイの兄貴に何か誤解されてる気が……)
あの猛獣さながらの鋭い眼つきを思い出すと、今でも背中につうと冷たい汗のようなものが流れる。
(なんか、ヤバくないか?)
急に顔を青くして、黙りこくってしまった重信に、
「ハギ?」
と、アオイが声を掛ける。
丁度その時、廊下の窓際が少し騒がしいことに重信は気付いた。下校しようとしている二年の生徒たちが、廊下の窓から身を乗り出して校門の辺りを指差し合っている。
「校門に絶世の美女が立ってんぞ!!」
「誰か待ってんのかな? あれって、栄華女子の制服だよな!?」
重信はそれを聞いてピンときた。この前、アオイのバイクトライアルの予選大会での出来事をふと思い出したのだ。
あの会場で、黒ヘルメットのアオイの兄なる人物に、重信はいきなり胸倉を掴まれていた。そのとき、彼ははっきりと重信にこう言っていた。
「お前、最近うちの妹に絡んでんだろ? 一体どういうつもりだ?」
と。そして、その後こう付け加えたのだ。
「からかってんなら、大概にしとけよ? もし妹傷つけてみろ、ただじゃ済ませねぇからな」
重信は黙ったまましばらくじっと考え込んでいた。
(原因って、絶対あのときのだよな……。アオイの兄貴に何か誤解されてる気が……)
あの猛獣さながらの鋭い眼つきを思い出すと、今でも背中につうと冷たい汗のようなものが流れる。
(なんか、ヤバくないか?)
急に顔を青くして、黙りこくってしまった重信に、
「ハギ?」
と、アオイが声を掛ける。
丁度その時、廊下の窓際が少し騒がしいことに重信は気付いた。下校しようとしている二年の生徒たちが、廊下の窓から身を乗り出して校門の辺りを指差し合っている。
「校門に絶世の美女が立ってんぞ!!」
「誰か待ってんのかな? あれって、栄華女子の制服だよな!?」