セク・コン~重信くんの片想い~
「永遠子ちゃんじゃなくてアオイが届けんの?」
アオイは渋々頷いた。
「あいつ、その客ん家知らねぇって言うから。しゃあねえ」
重信はそれを聞いてピンときた。おそらくは、これは永遠子の企みに違いない。アオイと少しでも一緒に過ごす口実が欲しくて、道が分からないとかなんとか適当な理由をくっつけて、ここまで押しかけてきたのだろう。
(ったく、そうはいくか)
と、重信はピッタリとアオイの後ろにくっついて歩いた。永遠子とは顔を合わせたくないの
は変わりないが、みすみすアオイを永見送る訳にもいかない。幸か不幸か、この日は恵太も美雪も、係活動の為居残りで下校は別々だった。
「じゃあ俺もついてく」
アオイの頭に、一瞬はてなマークが浮かび上がる。重信がどうして急についてくると言い出したのか、疑問に思ったらしい。
「アオイー! 遅いよ、もう! 待ちくたびれちゃった」
校門で待ち受けていた永遠子は、遠慮もへったくれもなく、いきなりアオイに飛びつく。
アオイはいつものことという様子で、特に嫌がるでもなく、永遠子に好きなようにさせてやっている。
そんな二人を見て、密かにイライラを内側に溜め込む重信。
(いくらなんでも、ちょっとベタベタくっつきすぎだろ? アオイの中身は男なんだぞ!?)
なんて、心の中で抗議したところで、当の永遠子にはそれが伝わるでもなく、ある意味不機嫌そうにする重信を挑発するかのように、またベタベタとアオイの腕に自分の腕を絡ませたりしている。明らかにわざとだ。時々重信の方をちら見しているのが、その証拠だ。二人のやり取
りを見せつけて、自分が優勢であることを見せつけてようとしているようだ。
(や、やっぱりこの子、苦手だ……)
アオイは渋々頷いた。
「あいつ、その客ん家知らねぇって言うから。しゃあねえ」
重信はそれを聞いてピンときた。おそらくは、これは永遠子の企みに違いない。アオイと少しでも一緒に過ごす口実が欲しくて、道が分からないとかなんとか適当な理由をくっつけて、ここまで押しかけてきたのだろう。
(ったく、そうはいくか)
と、重信はピッタリとアオイの後ろにくっついて歩いた。永遠子とは顔を合わせたくないの
は変わりないが、みすみすアオイを永見送る訳にもいかない。幸か不幸か、この日は恵太も美雪も、係活動の為居残りで下校は別々だった。
「じゃあ俺もついてく」
アオイの頭に、一瞬はてなマークが浮かび上がる。重信がどうして急についてくると言い出したのか、疑問に思ったらしい。
「アオイー! 遅いよ、もう! 待ちくたびれちゃった」
校門で待ち受けていた永遠子は、遠慮もへったくれもなく、いきなりアオイに飛びつく。
アオイはいつものことという様子で、特に嫌がるでもなく、永遠子に好きなようにさせてやっている。
そんな二人を見て、密かにイライラを内側に溜め込む重信。
(いくらなんでも、ちょっとベタベタくっつきすぎだろ? アオイの中身は男なんだぞ!?)
なんて、心の中で抗議したところで、当の永遠子にはそれが伝わるでもなく、ある意味不機嫌そうにする重信を挑発するかのように、またベタベタとアオイの腕に自分の腕を絡ませたりしている。明らかにわざとだ。時々重信の方をちら見しているのが、その証拠だ。二人のやり取
りを見せつけて、自分が優勢であることを見せつけてようとしているようだ。
(や、やっぱりこの子、苦手だ……)