僕の理論
彼とさくら
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今日、彼のもとに行こう。
私はいつもより早く起き支度をした。
今日は日曜日だから夫も子供も休みでまだ寝ている。
朝食を作り家事を済ませてから家を出る。
今日はとてもいい天気だ。
春独特の暖かさを感じる。
桜の花びらはたくさん舞っている。
彼もきっとこの景色を見てるだろう。
私は彼の死をやっと受け入れられたんだと思う。
彼は死んでもきっと私を見ていてくれている。
人は死んだらただ灰になって終わりじゃないはずと私は思う。
姿が見えなくても声が聞けなくてもそこにいる。
死は終わりじゃない。
死んで終わったらあまりにも儚すぎるから。
彼のお墓についた時だった。突然風がふき、桜の花びらが舞う。
そしてそこに書いてあった文字を見て私は少し微笑み、お墓を後にした。
彼はずっとそこにいたんだ。
私は振り向かずにその言葉を噛みしめながら歩く。
ーーーー『ありがとう』ーーーー
桜の花びらでそう書かれていた