確かな気持ち

「大丈夫?」

この人が現れるまでは、確かな気持ちなどないと思っていました 

誰もいない教室

そう言われ、何故か気が緩んでしまいました

顔から表情を消し、虚ろな目で貴方を見つめた時

貴方は驚きませんでした

逆にこっちが驚いてしまいました

なんと笑顔で返してくれたのです

「話してみて、…うちなら力になる」

その言葉には確かな気持ちが入っていたように聞こえました

「…何故、わかったんですか」

自然と言葉が口を出ます

「だって、元気ないやん?時々、凄い無表情になって…心配やったんよ」

見られていました

気が抜けた時の空っぽの自分を

自分が愚かだと思いました

見られていたとは…

自然と口からは

「クククッ、ハハハハハッ、ハハハハハハハハハハハハハッッ!見られてたか、クククッ、ハハハハハッ!なんて馬鹿なんだ、クククッ!あ~あ…」

自然と目がうるんできました

ただこちらを優しく見つめている貴方に

あの日以来初めての

本心と確かな気持ちを

出すことが出来ました

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