確かな気持ち
「…全く感情がわいてこないんです。全く」
口から言葉が溢れ出す
「好きな人が目の前で跳ねられ、無惨な死体を見ても、全く、全く、感じませんでした。ああ、死んだんだなって、それぐらいの軽い気持ちしか…」
「その日以来、自分の感情というものが、わからなくなったんですよ。皆にバレないように必死に演じて…頑張っていたんですっっ!時々、プツンと切れることもありながら…しかしですよっ!」
駄目だ、止まらない
「よくよく考えれば、一度も本心なんて出したことはありませんでした。知らず知らずのうちに、自分を演じていたんですっっ!…馬鹿な話ですが…そうだと今、気づきました」
駄目だ、自分の醜い部分しか出てこない…
「…もう、無理なんです。後には戻れない。こんなバカな自分を誰が認めてくれるんですか?自分なんて、人が死んだときに、『葬儀代高そうな葬式だな』とかしか思わなかったんですよっ?…生きる価値がない、最低な人間なんです。貴方もそう思ったでしょ?」
すると貴方はこう言いました
「…いや、そうは思わない。生きてほしいと強く願ってる。貴方が…好きだから」