壊したいから
あたしは、詰め寄って、あんたが一番嫌であろう事をする。
強張った唇は、決してあたしの舌を受け入れない。

「彼の評判、落としたくないでしょ?」

バレてもいい、とは思ってないはず。
こんな美味しいネタ、週刊誌が飛びつかないわけないもん。
“人気俳優は、同性愛者だった!”
なんて、一面を飾れるよ。

触れた肩は小さく震えて、きつく唇をかみしめてる。

もっと、傷付けばいい。
あたしが傷付いた以上に、あんたを傷付けたい。

「あたしを、抱いて。」

嫌でしょう?
さあ、返事をしなさいよ。

もう一度唇を重ねて、私は必死で舌を絡ませた。

早く、早く“はい”っていいなさい。
この煮え切らない態度の、何処が好きなんだろう。
ああもう、

むかつく!!!

「ねぇ、返事をしてよ。」

一瞬だけ唇を離して、それだけ言って、もう一度。
しばらくしてから、
あたしの口に、震える舌が侵入した。
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