恋をしたのは澤村さん
初めてのデート
約束の日になって待ち合わせの10分前。
あたしは指定された場所に来ていた。
「………変じゃないかなぁ?」
『変じゃないってっ!!
散々悩んで決めたじゃんっ!!』
電話の向こうで楓香が念を押すように笑う。
「そうかなぁ?」
『そうだよっ!
じゃあ、あたし約束あるから』
「あっ!!ちょっと!!」
ピッと機械音が流れた同時に電話は切れた。
「もう…楓香ってば……」
急に切られてしまった携帯電話の画面を見つめていると肩を叩かれた。
澤村さんだと思って慌てて振り向くと澤村さんではなく知らない人が後ろにたっていた。