恋をしたのは澤村さん


何が良いかは分からなかったけれどコーラとミルクティーを手にさっきの場所へ戻った。

「ねぇ…あの人かっこよくない?」

「ほんとだ。でも絶対彼女連れでしょ…」


角を曲がったところでそんな会話をしている女子高生を見てその方向に視線を向けた。
そこにいるのはだるそうな姿勢で向かいのお店を見つめる澤村さんだった。

出ていこうか声をかけようか迷っていた時だった。
1つのグループが澤村さんに声をかけてしまい他の子達もこぞって澤村さんに声をかけ始めていった。
変なハーレム状態だ。

「………ち、近づけない…」

人垣の向こうでたった1人で目の前の光景を見ていた。
格好いい。澤村さんは格好いい。
そんなの分かっていたことなのに女の子に囲まれてる澤村さんを見ると嫌になるのは何で…?


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