恋をしたのは澤村さん


運動があまり得意じゃないあたしはすぐに息切れを起こしてモールを出てすぐの噴水広場の前で足が止まった。

自分のしたことが信じられなくて緊張や走ったことにバクバクする心臓を押さえて息を整えようとした。

「……さわむ…ら…さん…」

「な、なに?」

触れたところからドンドン広がっていく熱。
モールで起きたことがあたしはモヤモヤして嫌で嫌でしかたなかった。

「…………葵…?」

黒い短い髪の毛が視界で揺れる。
笑ったら目が細くなること考え事をしているときに耳に髪をかける癖。
澤村さんのことならどんなに些細なことでも覚えてる。




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