恋をしたのは澤村さん
第3章
キラキラ金平糖
お風呂から上がって自分の部屋で荷物を片付けていた。
今日は散々だったと思う。
でも貴重な一日だったな。
行かないで、と澤村さんがそういった理由を知ったときはすごく恥ずかしくなったけど。
鞄の中身が大分空っぽになった頃。
見慣れぬ茶封筒を見つけた。
大きさは両手に乗るぐらいの少し大きめの封筒。
下のほうがふっくらと膨らんでいてそれなりの重さだった。
封筒の上からでも固い表面が手に当たり硝子製のものだとわかる。
「なにこれ」
こんなものをもらった記憶も買った記憶もなかった。
これはいったいなんなのだろう?
手の上に置いたままわたしはしばらくそれと向き合った。