恋をしたのは澤村さん
自分でも記憶ないのを確認するというのはそれなりの抵抗が有るわけで
誰かのものだったらどうしようとかもうしわけない気持ちと気味の悪い気持ちで恐る恐るその中身を開いた。
「………小瓶?」
……なんで小瓶?
そっと封筒から小瓶を取り出した。
茶封筒と同じ位の大きさの小瓶を、掌に乗せて中身を覗く。
「…………金平糖だ」
小瓶のなかには淡い色の色とりどりの小さな金平糖が敷き詰められていた。
部屋の光を金平糖が受けてキラキラと輝いてる。
……可愛い。
しばらく、ぼう…っと金平糖入りの瓶を眺めていた。
いつまでもこうしてるわけにいかなくて一度瓶を机の上にそっと置いた。
他に何か入っていないか茶封筒をひっくり返して振ってみる。
カサリと紙の擦れる音がしたと同時に四つ織りにした紙が封筒の中から出てきた。