雨と電車とチョコレート


「あーあ……」


音楽室の窓を叩きつける強い雨を見て、私はため息を吐いた。


なんで、今日に限って。


「花純(かすみ)、行くよ」

「うん…」


静香の声に促されて、私は音楽室を出た。


18時30分。


部活終了時刻。



私の所属している合唱部は、もちろん音楽室で毎日活動していて。


それは、外が晴れだろうと曇りだろうと雨だろうと、関係ない。



「私が鍵返してくるよ。静香バスでしょ?先帰っていいよ」


「本当?助かる」


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