雨と電車とチョコレート
途端に、肩から力が抜けた。
世界の色が変わる?
何を考えていたんだろう。
そんなの、恋に恋してただけ。
湊くんの。
好きだったはずの人が幸せそうに笑っているなら、私も喜んであげるべきなのに。
しかも、相手は静香だよ。
静香が良い子だってことは、私は嫌という程知ってる。
……なのに。
湧き上がってくるのは、祝福なんかじゃない。
ただの、悲しみ。
私じゃなくて静香を選んだ湊くんへの、諦め。