雨と電車とチョコレート



「……え?」


そしてたっぷりの沈黙の後、そう言う。


どうしてこんなに驚いているんだろう。


こんなにカッコいいんだもん。


見ず知らずの女の子に声をかけられることだってあるはず。



……てことは私、何か間違ってる…?



ん?ていうか私、チョコを差し出してるだけで、告白してなくない?



「あの、私」


「もらっていいの!?」



私の言葉に思い切り被せて、彼は嬉しそうに声を弾ませた。



「もちろんです」


そう答えると、彼はにっこり笑って受け取ってくれた。


……やった、渡せた。



よし、告白だ!!



……と意気込んだのはいいものの。




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