雨と電車とチョコレート
「ずっと、あなたのことが好きでした!」
私の言葉に、初めは何度も目を瞬(しばたた)かせていた彼だが、やがてゆっくりと口元に手を当てて。
「本当に?」
と言った。
何度も頷くと、彼はゆっくりと笑みを広げて。
「俺も、ずっと好きでした」
そう言って、ぎゅ、と抱きしめてくれた。
……うそ。
本当に?
両想い?
「あの……。本当ですか?」
こんな綺麗な人が、私のこと、好きって言ってくれるの?
「初めて見たときから、君のことが忘れられなかった。……だから、わざわざ毎日君のいる車両に乗って……。俺の気持ち、バレバレかと、思ってたんだけど」
そんなの。