雨と電車とチョコレート
私も帰ろうと、階段を下り始める。
こんなことを考えたって仕方ないんだ。
雨が降った時点で、私のバレンタインは終わってる。
……私の場合は、告白して上手くいくためじゃなく。
自分の気持ちに区切りをつけるために、本当は今日、バレンタインのチョコを好きな人に渡すつもりでいた。
このまま、時間の流れに任せて好きな気持ちを忘れるのを待つよりも。
ちゃんと告白して振られた方が、また新しい恋が出来ると思ったんだ。
「……それなのに、雨とか…」
はぁ、とため息。