TABOO Ⅷ~彼の腕の中~
「帰らないの?」
「今日部活出れなかったから、ちょっとだけ触りたくて」
本当は見回りとして帰るよう促すべきなのに、彼のボールさばきに感心してつい見入ってしまった。
「すごいね、軽々と」
「バスケ出来ないの?」
頷くと、「簡単だよ」という言葉と共にボールを渡された。
試しに投げてみたけどゴールに入るどころか全然届かず、壁に当たって戻って来ただけ。
「フォームが悪いな」
後ろに回り込んだ彼に腕を掴まれ、グッと高く上げられた。
「手首はこう」
骨をなぞるように移動した手が上に重ねられた時。
「何やってんだよ」