私と君の7日間
1日目
「りーん、俊にお弁当届けて来てー」
「えぇ~」
リビングでゴロゴロとテレビを見ながらくつろいでいると、お母さんがうしろから話しかけてきた。
「お願いね。
私いまから部屋を片付けないといけないの」
「む~」
プク~と頬を膨らまして、仕方がなくテーブルの上に置かれた布に包まれたお弁当を持つ。
「じゃぁ、行ってくる」
「気をつけてね」
サンダルをはいて家を出る。
「……」
うわー…。
やっぱり夏は嫌いだ。
家に出たとたん蒸し暑い温度が身体中をむしばむ。
「めんどくさいな~。
アイス食べた~い」
だるくて足が重くなる。
あー、アイス、ジュース、そうめん、冷やし中華…。
なんでもいいから冷たいものが食べたくなる。
だからと言って、今の私のお小遣いは全部で78円。
…ジュース一本も買えない。
「はぁ~」
しょうがない、諦めよう。
よし、早く届けて、また家でゆっくりしよう!
だらだらと進めていた足を少し早くした。
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