私と君の7日間
「・・・はぁはぁ」
石段を駆け上ると木の根元に座って地面に何か書いている久菜がいた。
「久菜、ごめん。
遅れた・・・」
そう言うと久菜は私に気づいたらしく、顔を上げて私と目が合うとパァっと表情が明るくなった。
「リン!
今日は来ないかと思ってたよ!」
立ち上がって私の元に駆け寄って来る。
「ごめん、昼ごはん食べてて遅くなっちゃった・・・」
「ううん、いいよ。
ねぇ、今日は何の話する?」
久菜はニコニコとして石段に座った。
遅れたことにはまったく気にかけていないようだ。
おる意味ホッとする。
「ん~、そうだな・・・。
あ、さっき弟に聞いた話なんだけどね・・・」
話出しながら私も久菜の隣へ座った。
さっき聞いた噂話、話してみよう。
毎日来てる久菜なら何か知ってるかもしれない。
聞いたことを全部久菜に話してみた。
最初は笑顔で聞いていたけど、後から段々と切なそうな表情に。
「・・・久菜?
どうしたの?」
「え・・・?」
「何か・・・辛そう」
「・・・そう?
何でもないよ」
「・・・」
どうしたんだろう・・・?
何でもないと言うわりにはさっきまでの元気がなくなってる・・・。
私変なこと言ったかな?
「・・・ねぇリン。
その話が本当だったらどうする?」
未だに笑顔に戻らないまま、久菜は聞いてきた。
「え?
う~ん、ホントだったらちょっと怖いかも・・・。
でも私幽霊とか信じてないし」
「そっか・・・」
・・・ホント、どうしたんだろ・・・。
「リン、ごめん。
今日は僕もう帰るね・・・」
「え、久菜!?」
呼びかけるも、久菜は神社の建物の方へ向かってトボトボ歩いて行った。
「久菜・・・」
あの話、しない方がよかったのかな・・・。
サーと吹き抜ける風に髪がなびく。
「私も帰ろ・・・」
久菜が帰ったのなら、今ここにいる意味がない。
「久菜と会うの楽しみだったのに・・・」
私は下にうつ向いて階段を下りて行った。