私と君の7日間
8日目
「凛ー。
今日は神社行かなくていいの?」
「・・・」
「ふぅ。
まぁいいんならいいけど。
あ、そうだ。
これまた浚に届けてきて」
私の目の前に置かれたのは浚がいつも持っているお弁当。
また忘れたのか・・・。
けど外に出る気になんてなれない。
「・・・行かない」
「いいから、お母さん忙しいから行ってきてね!」
ポイッと外に追い出される。
たくっ、人の気も知らないで・・・。
仕方なく私は行くことにした。
・・・神社に続く階段は無視した。
そして浚にお弁当を届けて・・・私は神社の階段の前で足を止めていた。
・・・どうせ上ったってもう・・・久菜はいないんだ。
けど、あれは何かの悪夢だったのかもしれない。
もしかしたら、いつものように笑顔で待ってくれているかもしれない。
・・・そう思うと私の足は自然と進んでいた。
案の定、久菜の姿はそこにはなかった。
「久菜・・・」
やっぱりあれは悪夢なんかじゃなくて、現実だったんだ・・・。
「・・・」
ふと顔を上げ前を見ると、神社のお社の前に何か落ちてあるのを見つけた。
なんとなく近づいて見てみる。
「これ・・・」
手に取ってちゃんと見てみるけど、間違いない。
これは・・・。
「久菜がしていたお面だ・・・」
最後に会ったのは昨日なのになんだかすごく懐かしく感じる。
「久菜・・・」
ギュッと久菜のお面を抱きしめた。
ねぇ、神様。
もし一つでも願いが叶うとするなら、私はもう一度久菜に会いたいです・・・。