私と君の7日間
それにしても…久菜って珍しい名前だよね。
上の名字かな?
「ねぇ、久菜って上の名字?」
「え?
違うよ?」
「あ、そうなんだ…」
「チリーン」
あ、鈴の音…。
「もしかして、鈴持ってる?」
「あ、うん。
これのことかな?」
久菜は着物の裾から小さな鈴を取り出して見せてくれた。
「紅いね…」
「うん。
これお母さんにもらった宝物なんだ」
鈴を懐かしそうに見つめている。
もしかしてお母さん、もういないのかな…。
「ん、僕そろそろ行かないと…」
あ、帰るのかな?
「僕明日もここにいるからさ、また遊びに来てよ!」
「え、う、うん…わかった」
笑顔で言われるもんだから、いやとは断れなかった 。