私と君の7日間
3日目
私は今日も神社に来ていた。
「久菜~」
「リン、また来てくれたんだね!」
「うん。
今日はお土産があるんだ!」
「おみやげ?」
首をかしげる久菜に、今さっき近くのコンビニで買ってきたガリガリアイスを手渡した。
「これ・・・」
「アイスだよ。
掃除を頑張ってる久菜にご褒美!」
「・・・ありがとう、リン!
すごく嬉しいよ!」
アイスを受け取って、目を細めて微笑む。
その時、初めて久菜にドキッとした。
そんな思いを振り払おうと、無理に笑顔を作ってアイスの袋を開ける。
そして久菜の隣に座り、並んでアイスを食べた。
「ん~、美味しい!
やっぱ夏はアイスだよね!」
キーンと頭が痛くなる。
これこそ夏って感じ。
「・・・美味しいね、これ」
アイスを一口食べた久菜は驚いたような顔をしていた。
「アイス・・・初めて?」
「うん、冷たくて美味しい」
「そっか、よかった!」
珍しいな、この歳でアイスが初めてだなんて・・・。
家が厳しいとか、アイスが買えないぐらいお金がないとか・・・。
そこらへん?
「ねぇ、久菜は川とか遊びに行かないの?」
「川・・・。
行ってみたいけど、僕はこの神社から離れちゃいけないんだ」
「そっか・・・」
やっぱりお父さん厳しい人なのかな・・・。
ちょっと残念。
「久菜はずっとここにいてヒマじゃないの?」
「ん~、ヒマって得には感じたことないけど、こうやって自然の中にいたら何だか落ち着くんだ」
「へー」
まぁ落ち着くっていうのはわかる気がする。
ここ涼しいしね。
「じゃあ、私が毎日来て久菜の相手をしてあげるよ!」
どうせ私もヒマだし、一人でいるより楽しいしね。
「本当に毎日来てくれるの・・・?」
「うん、一人でいてもつまんないでしょ?
私も一人でいるより、久菜としゃべってる方が楽しいから!」
「わー、ありがとう、リン!」
「うわっ!」
満面の笑みで抱きつかれる。
ギュッと抱きしめられて、少しくるしかった。
・・・見た目より力は強いんだ・・・。
ドクドクと鳴る心臓。
あー、私の心臓うるさい・・・。
久菜に伝わってないかな・・・。
「・・・久菜、いつまで抱きついてるの?」
なかなか離れようとしない。
まるで弟みたいだ。
ま、浚はここまで可愛気ないけど・・・。
「久菜?」
「・・・リン・・・お母さんのみたいな匂いがする・・・」
「え?」
久菜のお母さんの?