蓮華〜流レルママニ〜
過去
事の始まりは3年前―。
中学3年、15になったばかりの頃だった。
それまでの俺は、周りの同年代の者達と何ら変わりはなかった。
部活に励み、勉学に勤しみ、多少なりの恋なんかもして、高校進学のことや将来のことで、夢や希望に満ち溢れていた。
当時、好きだった子は名前何て言ったかな?…思い出したくもない過去だけに、記憶も朧げだ。
その年の夏の体育祭。
バスケ部のエースだった俺は、リレーのアンカーに抜擢された。周囲の期待は高かった。好きな子も見ていた気がする。
前走者が俺にバトンを渡し、残り200メートルを全速力で駆け抜ける筈だった。余裕のトップで、皆の祝福に包まれるビジョンを予想していた。
だけど…
予想に反し、目を覚ました場所は、病院のベッドの上だった。腕には変な管が付いてて、隣には、心電図やら何やら医療機器が並ぶ。
それらを一周ぐるりと見渡した直後に、
走っていた途中、激しい目眩と動悸に襲われゴール出来ずに倒れてしまった事を思い出した。
バスケの練習のし過ぎによる、疲労が蓄積したんだろう。
あまり心配しなかった。
案の定、1日という僅かな時間で退院した。