蓮華〜流レルママニ〜
それからというもの、俺の目に映るモノ、その全てが今までとは違って見えた。
何を見ても、そこに感動はない。
一つの個体として…
動かぬ無機質な物体として捉えるようになった…
親は、俺が自身の余命を知った事を知らない。
俺を見る目が変わった気がする。悲しむような、憐れむような…やりきれない素振りを多々として俺の目に映した。前より優しくなった気がする。怒っていた事を怒らなくなった気がする…
その事が、俺にどれだけの不信感を与えたか、ショックだったか、知らないだろう…?
自分が、本当にあと数年で死ぬんだと、実感させるに十分な変化だったんだ。
暗い…
何もかもが暗い。
そんな変化を察して、当時 親友だった友が俺を心配し「悩みがあるなら聞くよ」と言ってくれた…
藁をもすがる思いだった。その親友に全てを話した。
こいつなら大丈夫だ。俺を救ってくれる。
結果…。
そいつは、変わった。離れはしない…妙に、よそよそしく優しくなりすぎた。
だけど、その目は凄く遠くを見ていた。俺を見ていない。言うなれば、既に俺が死んだかのような…
気持ちは離れていった…
それだけじゃない。
ソイツは…あろうことか、クラスの他の連中に喋ったんだ…
俺の…事を…