蓮華〜流レルママニ〜


春ってのは、ホント心が晴れ晴れする気持ちになるなぁ〜

校舎の窓際の席から、校庭に咲く桜の木々を見つめる。

今日は、新しいクラスの皆と初顔合わせ。学園のトップであるAクラスと言えば、勉強の事しか頭にない人達っていうイメージだけど、私自身、勉強ばかりしてきた訳じゃないし、たくさん遊びもした。
だから、明るく楽しいクラスメートに出会えたらいいな、と期待してます。それと、やっぱり担任の先生。結構これ重要だよね!


今回のAクラスには、BクラスやCクラス出身も何人かいるみたい。

知ってる中でも一番仲が良いっていうのは、やっぱり蓮。
…この表現が正しいかどうかはわからないけど…

私と蓮は家が近く幼なじみであり、桜華学園の中では数少ないであろう天明中出身なんです。

…少なくとも、
『あの時』の元3年4組は、私と蓮だけ…



「葵さん!」

ん?
あ、蓮だ!

「って、えっ?葵さんて…何?」

「葵さんだろ?」

「何で名字で呼ぶの?」

「…仲がいいってのバレたくないんだよ…」

急に小声で話し始める蓮。そんな事しなくても、この騒がしい中、誰にも聞こえないのに。

「バレたくないって何で?」

「それは後で話す…今はその事を伝えに来ただけだから…千草も声かけんなよ…!じゃあ」

と、一方的に訳のわからない事を言って、早々と立ち去っていった。


…?…何それ…!?
意味わかんない…


…もしかして!
私と仲良くしてると、他の女の子が寄って来なくなるから…とか?

…まさかね。あの蓮に限って、そんな事ないか…
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