蓮華〜流レルママニ〜
7月29日晴れ。
気温35度。
…さんじゅう…ご…って何?ちょっと平熱低めな人の体温ですか…?
こんな日は、外に出ると確実に溶ける事間違いなしなので、今日もいいとも見ながらアイスをたべ…
「ちょっと!!二人とも!!若いのに昼間っからだらしないっ!!それに暑いからっていっても、もうちょっとマシな格好しなさいよっ!!」
容赦なく罵声を浴びせるのは、長女の渚お姉チャン。
「大姉様だっ」
「いや、お仁王様だっ」
沙耶チャンと二人で恐怖におののく。
「ふ〜ん。今日は部屋中、大掃除するんだけど、どこかにヒマな人でもいないかなぁ〜?」
!?
ヤバい…
「さ、沙耶チャン!今日って確かアレじゃない?」
「!?…そ、そうそう!アレだっ、出かけなくちゃ!流奈ちゃん!」
急いで部屋を飛び出し、早送りの如くスピードで身支度を済ませ、地獄の釜のような外に出る。
ミ〜ンミ〜ンミ〜ンミ〜ン〜
「さ、沙耶チャン、コレってセミの鳴き声だよねぇ?」
「私の記憶が正しければ、多分そうかと…」
千鳥足で歩を進める。
ミ〜ンミ〜ンミ〜ンミ〜ン〜
「さ、沙耶チャン、私には、お坊さんのお経のように…聴こえるんだけど…?」
沙耶チャンが耳に手を当て目を閉じる。
「…いや、ナ〜ムミョ〜ウとは言ってない!…ミ〜ンミ〜ンだよ…」
「…じゃあ、まだ生きてるね…」
外に出て、僅か5分で、滝のような汗が噴き出る。
「流奈ちゃん、この汗…尋常じゃないよね…?フルマラソンの末に出来る芸当だよね?」
余りの暑さに、沙耶チャンの頭は既に
アルマゲドンだ。
あ、ヤバ…い
私も…既に
ドラゴンヘッドだ…
「流奈ちゃん…どこか…喫茶店に入ろうか…」
沙耶チャンはもう目が
タイタニック状態…
あ…
沈むって事ね…
「…そうだね〜…涼めるとこなら…どこでもいいや…」