蓮華〜流レルママニ〜
未央と
「ふぁ〜あ〜」
大きなあくびをしながら、まだ眠気の覚めない目をこする。
何で夏休みなのに、こんな朝早くから起きないといけないのぉ。そんな事を思いながらも、いい匂いにつられるように、そのもとへと向かう。
「あ、翔サン!来てたんだ!?おはよ〜ぅ、こんな朝っぱらからどうしたのぉ?」
葉月家の主かと思う程、どっしりと腰を落とし、あぐらをかいた態勢で勢いよくご飯を食べている。
「おぅ。流奈ちゃん!おはよう、お邪魔してるよ。朝っぱらって…もう昼だからな…それに髪がボサボサだぞ…」
と、呆れ顔で返される。
え!?
もう昼っ!?
やっば〜い…
「じゃ、翔サンごゆっくりぃ〜」
一目散に洗面所へと急ぎ、準備を始める。ていうか、とっくに待ち合わせの時間は過ぎている。
今日は、友達と遊ぶ約束をしていたにも関わらず、また寝坊してしまった。
おかげで朝の準備するスピードは人一倍速い…自慢にはならないんだけどねぇ。
炎天下の中、駅へと走りながら携帯を取り出す。
うわぁ…、着信4件とメール1件…
未央という文字が縦に4つ列ぶ。
とりあえず未読メールを開いた。
《流奈の次の誕生日プレゼントは、爆発音付きの目覚まし時計に決まりました♪》
わぁ…嬉しい…な
ってマズい!
電話しなきゃ…
『もしもし…?み、未央っ!?…ゴ、ゴメン!今ダッシュで向かってるから』
『はいはい。そうだろうと思って、私も今来たとこだから。気をつけてね!』
…う〜ん。予測されてるなんて、重症だなぁ…
これからは気をつけなきゃ!