蓮華〜流レルママニ〜



「みんなっ!おはよ〜うっ!!」

朝のチャイムが鳴り響き、担任である平松先生が声高らかに張り上げる。体格はいい方ではないのに、朝から声だけは妙にデカい。その上、野太いときてる。確実にこのAクラスから、Cクラスまでは聞こえてる…

「よーぉし!じゃあ、出席をとるぞっ!!」

「合田ぁっ!!」

「ハイ」

合田君は、Cクラスにはいないよ…
そんな馬鹿デカい声出さなくたって…
「天海ぃっ!!」


!!?

「天海はおらんのかぁっ!!!?」

「ハ、ハイ」


脅かすなよ。心臓止まるだ
「声が小さぁ〜いっ!!!」



…アンタの声がデカ過ぎる…

はぁ…

朝のホームルームが一番退屈だ。

俺の楽しみの一つである、考え事がこのヤマビコのせいで、全てかき消される。

ヤマビコというのは、この教師のアダ名だ。誰が付けたか知らないが、山彦のように、声が隣のクラスまでこだまする事が由来らしい。

ナイス名付け親。


…そういえば、今日も来てないなアイツ。

あぁ、確か休むって言ってたな…
昨日の感じだと、まだ具合悪そうだったからな…

帰りに寄ってみるか
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