蓮華〜流レルママニ〜
千草編 其ノ弐

桜の華



春だねっ。

やっぱり春はいい!
恋の季節到来って感じで!
何をするにも、心踊るっていうか…


「踊ってる場合じゃないからっ!遅刻するって千草!」

「カンナの言う通りですよ、チ〜ちゃん!」


朝は、苦手。
時間に追われる気がして、何か気が滅入る…


バシッ

痛っ


「千草、お前朝はいつもボーっとしてんな!」

「叩かなくてもいいでしょ〜!バカ蓮!それに…」

あ…!行ってしまった…


ん?
これってデジャヴ!?


って、私…
毎日こんなだ〜


「お姉ちゃん、毎日遅いね〜僕たちにいつも抜かれてるよね〜」

小学生のちびっ子が遥か下の方から私を見上げる。
だけど、その口調は見下げられてる。


はぁ〜。
桜華の花道は、直線が長すぎる。だから、私ののんびりした登校風景が小学生や中学生に丸わかり。

「君たちもね、人生生き急いじゃダメだよ〜。ゆっくりと歩かなきゃ〜」

するとちびっ子たちはキョトンとした顔をして、

「カメ子ちゃんが変な事言ってる〜!逃げろぉ〜!」

一目散に走っていった…
ありゃりゃ…
足の速いこと…


って、
カメ子…!?
それ私のこと!?


うーん、これはいかんねぇ…
頑張ってウサ子と呼ばれるようにならなきゃ!
< 53 / 98 >

この作品をシェア

pagetop