蓮華〜流レルママニ〜
「この震えを止めてあげる事ができる…」
蓮の震えが止まる。
「蓮の光りになってあげる事ができる…」
蓮がそっと抱きしめ返してくる。
「…独りは嫌だ…このまま…孤独に…死んでいくなんて…イヤだっ」
その手はギュッと強くなる…
「誰にも…この気持ちをわかってもらえないって…思ってた…」
抱きしめる、その手を離し…
蓮の顔を見る…
「私は逃げない」
強い面もちでハッキリと告げた。
この言葉が…蓮には強く刺さったのだろう…
蓮が信じた親友は…抱えきれない思いを…
他に漏らした…
それは…
蓮が背負う苦しみから逃げたのだ…
「私は…蓮と生きる」
蓮の目からは、大粒の涙が『流れ』…
止まらなかった…
涙を流すとは…
気持ちに正直になること…
その時、初めて…
『心』が流れるのだ…
余命の告知後、
蓮が…
初めて
『心を開いた』瞬間だった…
………
……