蓮華〜流レルママニ〜
「次ぃっ!!女子っ!!」
「男子に負けないくらいの返事をしろよぉっ!!!」
……
まだやってたのか。何人にやり直しさせてたんだよ…
周りの皆も一様に似たような顔をしている。
隠れて机の下で携帯をいじってる奴。
堂々と鏡を見ながら化粧してる奴。
まぁ、毎朝この声を聞いてると逆に慣れてきたのか…
ヤマビコも五月蝿いだけで、本気で怒る度胸は無く、軽く生徒にあしらわれる始末。
「葵っ!!葵は休みかっ!!?」
葵…
「ヤマ…平松先生。葵さんは休みです」
危ない…ヤマビコって言うとこだった。
「天海。どうしてお前は、葵の休みをいつも知ってるんだ?もしかして一緒にでも住んでるのか〜?」
「!?別にそんなんじゃ…」
そんな事言うなよ。教師のクセに。面白がって騒ぎ立てる奴が出てくるだろ…
「マジで〜!?蓮!オマエ、葵と一緒に住んでんのかぁ〜?」
「ヒューヒュー」
ほら…な。
教室内がざわつき、皆一斉に俺を見る。
「だから〜!一緒になんて住んでる訳ないじゃん!俺たち、高校生だろ!?」
「あれ〜!?必死になって否定するなんて、さらに怪しいぞ〜」
やめろ…
俺を見るな。
俺に注目するな…
周りはヒソヒソ話を始め、興味本位から、俺を冷やかす。