蓮華〜流レルママニ〜
「付き合ってないんだ…じゃあ、天海クンが他の誰かと付き合っても平気?…」
!!…
他の誰かと…?
……
それは…
「千草がもし平気だって言うんなら、幼なじみとしてしか見てないって事になるけど、もしそうじゃないなら…恋愛意識があるって…ことじゃない?」
!?
ドクン…
…ドクン…ドクン…
何かが私の体中を
『流れ』駆け巡る。
ドクッ…ドクッドクッドクッ。
…この言葉は…前に神名に言われた事がある。その時は、何とも思わなかった。
でも今…
私の心を揺らした理由は、目の前にいるのが恐らく蓮のことを好きだという子で、蓮に彼女が出来たら…っていう事を容易に想像させた…からかもしれない。
私…ちょっと…
イヤかも…
「千草…私ね、天海クン…いや…蓮クンの事……好きなの…」
またしても急に顔を赤らめると、小さな声で呟く。
だけどその視線は私をハッキリと捉え、決意を表しているかのように見えた。
由真からすれば、もしかしたら私は蓮の事を『恋愛感情』として好きかもしれないと思っている筈なのに…
この言葉は…
ある意味では
『宣戦布告』だ。
勿論、そんな風に捉える私も…既に…
あの頃とは何かが違ってきている…
のかもしれない。
その日の放課後―。
「千草、今日帰りにオマエん家寄るから!」
「えっっ!?」
帰り支度をする私に、蓮が、唐突に声をかけてくる。
「…何そんな驚いてんだよ。今朝、BUMPのCDを借りに行くからって約束しただろ?」
「…あ、…うん…」
「じゃあ、俺部活あるからまたな」
ドキン…
ドキン…ドキン…ドキン
ちょっと!…
何ドギマギしてんのよっ、私はっ!!
由真にあんな事言われたからって、
意識するなんてバカみたい…!
相手はあの蓮なのに!
蓮なのに…