蓮華〜流レルママニ〜
秘密
3年前―。
夏休みに蓮の家を訪ねて…誓ったあの『言葉』…
あの時…私は…
「千草…俺には…オマエだけだ…信じられるのは…」
涙を流した蓮の口からは、幾つも心が垣間見えた。
虚偽はない、
真実のコトバ…
余命を知ってから…多分初めての事だろう…
「私は…蓮と一緒に生きる…」
そして…
スッと立ち上がり…
深く深呼吸をした。
その私を見上げる蓮…
ニッコリと笑顔を返し…静かに告げた…
「蓮?」
「ん…?」
静まり返った空気が私を諭した…
『蓮だけにね…私の秘密…教えてあげる…』
「…ヒミツ…?」
その目は私だけを見つめる…
「…私……いや…『私も』…成人するまで…生きられない…」
その場を流れる空気が止まった…
瞬き一つしない蓮…
「はっ!?…な、何言ってんだよ…千草…」
「私が宣告されたのは、小学生の時…」
さらに疑問符を増やし…
「!?…冗談…言うなよ…このタイミングで…怒るぞ…」
その言葉に覇気はなく…震える…
「ホントだよ…、蓮の余命より一年短い…18歳までの命…」
「ウソ言うなっ!…だって…千草…こんなに元気じゃねぇかっ…いつも…笑顔で明るくて……ウソつくなよっ!」
蓮には分かってる…
私の言うソレが
ウソなんかじゃないって…
そんな冗談を言う訳ないって…
ダカラ…
目にはいっぱいの
涙が溢れたんだ…