蓮華〜流レルママニ〜
目にいっぱいの涙を浮かべる私とその言葉に、蓮の口は止まる。
「蓮の気持ちはね…私にはわかる…。だってそうでしょう?同じ病気なんだから…でも…絶対に克服してみせる…決められた未来なんかない!…生きるって…希望を持つ事でしょ?…いつ死ぬかわからないなんて…皆一緒なんだよ…だから…一生懸命生きるって事が…生きてるって事なんじゃない…?」
その言葉を静かに聞く蓮…
「千草…オマエは本当に強いよ…俺は…千草がいるから正気でいれるんだと思う…」
「高校に行きたくないって理由、まだあるでしょ?」
その言葉にハッとすると、
「千草にはお見通しか…そう…俺は自分の余命を知られてるかもって連中と同じ時を過ごしたくないんだよ…」
「蓮…一緒に桜華学園に行こう?」
「桜華!?…無理だって、あんなとこ!!学力だって及ばないし、ましてやお金がある訳でもないし」
「ううん!蓮なら大丈夫!!私も頑張れば何とか…それに桜華には今のところ天明中から行く生徒もいないし!」
「桜華か…」
桜華学園なんて名門校。学力だけで行こうなんて、正直3年の今からじゃ遅すぎる…
それでも私たちには、無謀な事に挑戦するということが大事なんだ。
ましてや今の蓮には特に…!
「頑張るって生きてるって感じするでしょっ!?」
「簡単に言うよ、千草は。でも何だか力が湧いてくるから不思議だよな」
―そして、私たちは半年間の猛勉強の末に、桜華学園に合格した。
その事が、確かに私たちには生きていく為の一つの希望となった。
……
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