蓮華〜流レルママニ〜




「………」


顔が固まり、みるみるうちに赤みを帯びていく…

あれ…?

期待してた反応と違う…

もっとこう…『そんな事いう訳ないでしょっ』…みたいな。


…そんな反応されると対応に困るんだけど…



数秒の静寂の中をフワリと風が舞い込んでくる。




「嘘だって千草っ、何、真に受けてんだよっ」


言い出した本人が、うろたえてどーすんだか…

「これは…あの、ソーセージの片割れがさ、お姉ちゃんは夜な夜な嘆いてるかもよ、なんて冗談で言ってて…」

情けなぁ…俺…


「…ソーセージみたいに言わないのっ……どうせ千尋でしょ?…」

やっと口を開いたかと思えば、言葉とは裏腹にトーンの低いそれ…


「そうそうっ、千尋の奴がさ…アイツ…俺たちをくっつけようとして何が楽し…」

『言ってるよ』


!?


「…言ってるって…何が…!?」


纏っていた布団を静かにはねのけ、少しだけピンと背筋を正すと…

俺の目を真っ直ぐに見つめて、

言った…


「蓮のことを想って…夜な夜な…嘆いてる…」


!?
ちぐさ…?
…何言って…



『蓮のことが大好きだって、叫んでるっ』
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