蓮華〜流レルママニ〜
流奈編 其ノ弐
そして翌日…
8月17日曇り―
昨夜の豪雨が嘘のように、雨はすっかりと上がった。
それでも…
心を映すかのように、空には灰色がかった雲が、太陽の光を遮っている。
昨晩は、沙耶姉チャンと翔サン(渚姉チャンの恋人)に付きっきりで看病をして、夜を明かした。
不幸な偶然が重なり、涙をたくさん流して悲しんだけど、
命に別状はなかった事に、ホッと胸を撫で下ろした。
人間…
本気で心配した、その後には怒りが湧くもので、沙耶姉チャンには、「ちゃんと安全確認してから横断歩道を渡りなさいよ!」と、子供を叱りつけるように延々と注意し続けた―…。
「ふぁ〜ぁ…」
眠い…
緊張が解けたせいか、急に眠気が襲い、大きなあくびをした。
病院内は息が詰まる…
気疲れもあるんだろうけど…
ロビーから、自動扉を抜け、新鮮な空気を吸う為、外に出た。
「う〜〜……ん」
カラダ全身の筋を伸ばしながら、大きく深呼吸。
そのまま、すぐ近くの海岸沿いまで歩いた―…
「あ!!」
ふと視線を流した、その先にある物を見て、不意に声をあげた。