your song
蕾は花となり、咲き誇る時間は一瞬で過ぎ去り雪のように舞い散った。




そして、彼へのレッスンも最後の日となった。



「最後に弾いてもいいですか」照れながら彼は言った。


今日は彼の隣ではなく、離れた場所に座り見守った。


たどたどしいながらも誠実に奏でるその曲は、伝えられなかった奥さんへの想いが切なくそしてあたたかく音となり広がった。



「your song」


~君がこの世にいるだけで、なんて素晴らしい人生なんだろう~






____神様はどうして人間にだけ言葉を与えたのだろう。



その答えはとてもシンプルで容易い。


でも容易いが故に無駄にしてしまっている。



彼はそう私に教えてくれた。



ピアノを弾き終えた彼が私の方を振り向き笑う。


涙が頬をつたい流れた。



「椎名さん・・・・・・あなたを好きになりました」



溢れ出した言葉に彼は少し驚き、そして微笑み言った。



「ありがとう」と。









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