real world
*01*花音
よく考えたら、今日誕生日じゃん私…
また歳をとっちゃうのかぁ。
時間って早いな。
あれから、もう1年と半分。
「花音ー?大丈夫?随分遠いところに飛んでない?」
はっ!悠樹君!忘れてた!ていうか近いーーー!
「だ、大丈夫!」
「本当に?」
「本当だって!」
だから近いよーーーー!
「食欲はあるみたいだから、もう少し寝てれば治るな。あ、そうだ薬…」
「薬…?あ!診察代!診察代はどうしたの!?保険証とか…」
なかったら、かなり高かったんじゃないだろうか。
「あぁ、上杉が持ってきてくれた。それに運んだのは東郷病院だから、そんなに心配しなくても大丈夫だ。」
「東郷って…あのおっきい病院でしょ?何が大丈夫なの?」
「言ってなかったっけ?東郷は僕の生みの母の実家だよ。だから病院経営は父さんがしてんの。」
あ…そういえば愛さんは再婚相手だったっけ。
う、なんか気まずい。亡くなったお母さんの話はよそうと思って、私は無理矢理話の方向を変えた。
「そういえば妹さんいるんだよね。どんな子?やっぱ悠樹君の妹なら可愛いのかな?」
「んー…可愛いといえば可愛いかな、でも長いこと話してないから、わかんないな…」
話してない?兄妹なのに?彼は私の心を読んだかのように続けた。
「1年前、ビルから落ちて意識不明の重態。起きるかどうかは五分五分だって。」
「落ちた。ってことは自分から飛び降りた訳じゃないんだよね…」
もしかして、悠樹君も悠樹君の現実を見て、縛られているの?
「妹は…恋奈は…」
教えて?
あなたには、何が見えているの?
「誰かに、突き落とされたんだよ。」
もしあなたが現実に縛られているというのなら、
きっと解放して見せるから。
また歳をとっちゃうのかぁ。
時間って早いな。
あれから、もう1年と半分。
「花音ー?大丈夫?随分遠いところに飛んでない?」
はっ!悠樹君!忘れてた!ていうか近いーーー!
「だ、大丈夫!」
「本当に?」
「本当だって!」
だから近いよーーーー!
「食欲はあるみたいだから、もう少し寝てれば治るな。あ、そうだ薬…」
「薬…?あ!診察代!診察代はどうしたの!?保険証とか…」
なかったら、かなり高かったんじゃないだろうか。
「あぁ、上杉が持ってきてくれた。それに運んだのは東郷病院だから、そんなに心配しなくても大丈夫だ。」
「東郷って…あのおっきい病院でしょ?何が大丈夫なの?」
「言ってなかったっけ?東郷は僕の生みの母の実家だよ。だから病院経営は父さんがしてんの。」
あ…そういえば愛さんは再婚相手だったっけ。
う、なんか気まずい。亡くなったお母さんの話はよそうと思って、私は無理矢理話の方向を変えた。
「そういえば妹さんいるんだよね。どんな子?やっぱ悠樹君の妹なら可愛いのかな?」
「んー…可愛いといえば可愛いかな、でも長いこと話してないから、わかんないな…」
話してない?兄妹なのに?彼は私の心を読んだかのように続けた。
「1年前、ビルから落ちて意識不明の重態。起きるかどうかは五分五分だって。」
「落ちた。ってことは自分から飛び降りた訳じゃないんだよね…」
もしかして、悠樹君も悠樹君の現実を見て、縛られているの?
「妹は…恋奈は…」
教えて?
あなたには、何が見えているの?
「誰かに、突き落とされたんだよ。」
もしあなたが現実に縛られているというのなら、
きっと解放して見せるから。