real world
1人残された部屋で私は掃除をしていた。


気付かなかったけど結構散らかっている。昨日掃除できなかったからかな?まずは鍋と茶碗と箸を洗わなきゃ。


悠樹君、料理上手だったな…私よりも上手かも。でもそれはそれで恥ずかしいな…





−ガッチャン!パリン…





「あ、落としちゃった…あーあ、割れちゃったよ。」



考え事をしながらするとろくな事はないなぁ…


鍋は金属製だから問題なかったが茶碗が割れてしまった。くすっと自嘲気味に笑って破片を拾う。


カチャカチャと割れた破片を拾う音が部屋に響く。それが私に独りだって事を感じさせた。



「痛っ…!」



指先に唐突な痛み。破片が刺さったらしい。


指先にはポタポタと血が流れていた。


それがフローリングに落ちて広がっていく。






見ちゃだめだ…!





本能的に目をそらしたが、遅かった。



私の目の前には、血みどろの死体がころがり、足元には血の海が広がっていた。




フラッシュバック。


こうなっては自分では制御できない。


私の意識は夢のような場所に放り出される…


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