real world
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さて、俺の相棒の話をしよう。


まず、結論からいく。最近俺の相方は色ボケがマイブームらしい。



『さぁはじまりました!今回のニュー・ミュージック!今回のゲストはRose!Prince!…』



現在俺達は人気の歌番組(生放送)にでている。


まずは今月のオリコン1位のRoseから歌う。


全く、悠樹ときたら好きな人が熱を出して看病するのに集中していたからか、仕事の事を忘れるとは…


恋は、あれだけすすめないって言ったのにな。部屋にあいつがあがっていたということは両思いなんだろう。



女の子のほうは、何と言うか…



か弱そうな、うーん…美人だった。


正直、恋奈よりも綺麗な人だ。




『さぁ、次はPrinceのお二方に歌ってもらいます!スタンバイお願いしますね!』




はいはいっと…


悠樹はよほどあの娘が気になるらしく、ちょっと集中できていないみたいだった。



「おい、ショウゴ。」


「なんだよ。」


「今は、忘れろ。これに集中するんだ。」



ちょっと無理な話かもしれないけど。


気を紛らわせるために始めたアイドルでも、真面目にやる。俺の性分だ。




「わかった。」



相方は、俺にこれまで見せたことのない強い表情で、そうだ言った。


あの娘が変えたのかな…


真剣に恋をする、俺の相棒は変わった。


前みたいに、すぐに諦めなくなった。


俺はステージに立ちながら、悠樹にあのときの俺を重ねた。


うん。そっくりだ。


お前は知ってしまったんだな。


あの、抑え切れない感情を。






『それでは歌ってもらいましょう!今月のオリコン2位!Princeで、”Kingdam<キングダム>”!」


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