real world
―<友香から見た1年前>―
私は急に知らされた彩野夫妻の訃報にただ呆然とした。
しかも葬儀はとっくに終わっていて、花音は入院していると言う。
私はとりあえず事情を聞こうと花音が入院しているという病院へ行った。
病室に向かおうとすると、花音の病室の方向が急に騒がしくなった。
―ガッシャーン!!!―
『そっち押さえて!花音ちゃん!しっかり!大丈夫よ!』
―花音!?―
つい駆け出してしまった。
きっと私が力になれるかもしれない。そういう自信もあったからかもしれない。
でもそんな自信は、
―いやぁぁぁぁぁ!!寄らないで!触らないで!やだ!いやだ!あぁぁあぁぁぁああ!!―
一瞬で吹き飛んだ。
その病室にいたのは花音じゃなかった。
知らない誰かだった。
だって、必死に暴れて看護師を近付けまいとするなんて、ありえない。
あんなにやせ細って、金切り声をあげたりしない。
『鎮静剤を!早く!』
『いや!いや!いや!
…っ怖いよぉぉぉぉっ!』
何でこうなっちゃったんだ?
どうして?
「―友香?―」
教えて。
私は急に知らされた彩野夫妻の訃報にただ呆然とした。
しかも葬儀はとっくに終わっていて、花音は入院していると言う。
私はとりあえず事情を聞こうと花音が入院しているという病院へ行った。
病室に向かおうとすると、花音の病室の方向が急に騒がしくなった。
―ガッシャーン!!!―
『そっち押さえて!花音ちゃん!しっかり!大丈夫よ!』
―花音!?―
つい駆け出してしまった。
きっと私が力になれるかもしれない。そういう自信もあったからかもしれない。
でもそんな自信は、
―いやぁぁぁぁぁ!!寄らないで!触らないで!やだ!いやだ!あぁぁあぁぁぁああ!!―
一瞬で吹き飛んだ。
その病室にいたのは花音じゃなかった。
知らない誰かだった。
だって、必死に暴れて看護師を近付けまいとするなんて、ありえない。
あんなにやせ細って、金切り声をあげたりしない。
『鎮静剤を!早く!』
『いや!いや!いや!
…っ怖いよぉぉぉぉっ!』
何でこうなっちゃったんだ?
どうして?
「―友香?―」
教えて。