real world
次の日、私はもう一度病院に行った。


中学の卒業証書を届けるためだ。


病室の前に立って深呼吸。


花音に会っても笑っていられます様に。


そうしてドアノブに手を掛けようとしたそのとき、



『ふん、1人だけ生き残りやがって!せいぜい独りで頑張るといいわ。そのむだにいい頭でね!』


すんごい派手なおばさんが出てきて、びっくりしている私に気付くと、



『あぁ、そう。お友達のすねかじって生活するつもりなのね!』


「いいえ。1人で自活します。法的に手続きすればお金が政府からもらえるはずですから。」


『私の所に来たって、絶対おいてなんかあげないから!!』


「どうぞ、ご勝手に。私は貴女が考えているよりもバカではありませんよ。」



そう花音に言われたおばさん(たぶん花音のお父様のお姉様)は顔を赤くして出て行った。


いやでも派手すぎるだろあの格好。


チラッと見ただけでもブランド品を数十個使っている。



「友香…?友香でしょ。入りなよ。」


「花音…今の…っ!」


「あはは、随分痩せちゃったぁ。ラッキー♪」



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