real world
「そんなに掘り返されたくない事なの?」


「そうだよ。」


私は隠れていた壁から廊下に出た。前田君があの話を持ち出す前に。


「か…花音。」


そう、誰もが持っているはずの知られたくない事。隠し続けるべき事。


「前田君はそれでも、知りたい?」


視界が揺らぐ。あと5秒、 あと4秒、 3、2…1!


世界が暗くなった。重力にしたがってわたしの身体が倒れ、そのまま意識を手放した。

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