real world
「アレに彼女なんかいたんだ…」


「いたんだよ。今はニコりともしない海斗にも。」



奴は芸能界では氷の華だ。笑わないし、冗談も言わない。


まぁそれがうけてるんだけどね。



「兄様、さっきの…お話。もうちょっと思い出したんだけど…」


「…そう。」


「『話』?」



悠樹は一瞬迷って、でも思い切った顔をして言った。



「恋奈は誰かに突き落とされたんだ。恋奈が言うには、上杉の…会社の人らしい。」


「さ、殺人未遂って事か?!」



しかも、上杉の人間。


花音の両親も上杉の人間に殺された。


偶然…な訳はないよな。


「はんにんは言っていたらしい…『彩野のファイルを渡せ。』」


「友香は…それを?」


「知ってる。恋奈が思い出した時一緒にいたからな。それが『さっきの話』」



そしてこれからが、


真実のカケラ。


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