real world
その男は言った。
『貴女が持っているはずのファイルはどこにあるのです?』
「ファイル…?」
『そうです。貴女が持っているはずの重要な弊社のファイルですよ。どこにあるのか教えてくれるだけで結構ですから。』
男(←名前がまだ思い出せない!)は丁寧な言葉とは裏腹に高圧的に見えた。
しきりにファイル、ファイルと言ってくる。
「私はファイルなんて存じませんよ。伝言は何なのですか?予定が押しているので。」
早く海斗に会いたい。
こんな怖い人とは離れたい。
すると男はなぜかキレた。
『下手に出てれば調子づきやがって、知らない訳ないだろう!あ!?』
詰め寄って来て、胸倉をつかまれる。
「なにを…?!」
『お前が知らないと言うならば誰が知っていると言うのか!?貰ったはずだ!彩野のファイルをどこへやった!?』