real world

「知らない!知らないわ!彩野って誰?ファイルって何!?放して!」



怖い。怖いよ。


助けて海斗。


助けて。



『まだそんなホラをふくか!ならお前の母親と同じ目に会わせてやる!!来い!』


「や…あっ!!」



あっという間に屋上の端っこに連れて行かれ身体半分を外に押し出される。



『くそ!おい!もう一回聞いてやる!ファイルはどこだ!?』



どこ?


知るもんか。


母様と一緒の目に合わせてやるって、こういう事だったのか。


やっぱり、自殺じゃなかった。


なら、私の取るべき態度は一つ。



「そんなもの、知らない。」




そしてゆっくり、私の身体は落ちていった。



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