real world
消えない?


まだ彼を信じきれない私がいる。


こんな私は嫌い。



「僕は、消えない。絶対に。消えたりしない。幻になんかならない。信じて花音。僕は覚悟を決めた。後には、戻らない。」



強く、とても強く。


痛いほど、


手を握られた。



「や…約束だよ?絶対、絶対、絶対、絶対だよ?」



お願い。


私は消えても。


あなたは消えたりしないで。



「絶対、だな!わかった。じゃあ花音も僕と約束しよう?絶対、絶対、絶対、絶対、僕の為に、生き続けてくれますか?」


え…!悠樹君の為!?


ど、どういう意味だろう。



「えっと…どういう意味…なの?」



すると悠樹君はちょっと困った顔をしたけど、いたずらっぽく笑って言った。




「好きだよって意味。」



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