real world
「なぁ花音。」


「なぁに?またどこか解んないの?」


「いや…」


「じゃあ何?」


何だか深刻そうだ。…珍しい。


「彩野ー。僕もここ解んないんだけど。」


前田君はもうすっかり私達の中にとけこんでしまている。


私が倒れたあの日、前田君は私が目覚めるまで保健室に付き添ってくれていた。


まぁ、どうして倒れたのか覚えてないんだけどね。


「!!」


直人がびっくりしたらしく前田君を見て…というよりにらみつけている。

機嫌が悪くなったらしいが、こういう時は放っておくのが一番だ。


「んー?どこ?」


「これ。解る?」


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