real world
いつだって、
17年間ずっと。
それが花音。
「とーもか!頭は冷えたかにゃー?」
「るっせー。元から正気だよ!」
「お前は、やっと戻って来たようだな?」
「おかげさまでな。サンキュー悠樹。」
「世話かけさせんなよ?」
情けないな、俺。
17年間そばにいて、
そんな事も忘れてた。
話してくれなかった値はのは、確かにショックだったけど、花音なりの優しさだった。
看護師やら医者やらに散々説教されて、花音の病室に入れたのはもう面会時刻が終わりに近付いた頃だった。
まだ花音は目を覚ましていなかった。
「悠樹…。」
「なんだよ。」
「俺は、引き下がらないからな。」
花音の事も、
犯人の事も。
逃げない。
引き下がらない。
何が、あっても。